インピーダンス変換トランスの1次側から見たインピーダンス・電力容量の計算

1. はじめに

 高周波電力アンプを負荷を接続する際にはインピーダンス整合を行う必要があります。インピーダンス整合を行う方法の1つとして、高周波トランスを用いたインピーダンス変換があります。また、偶数次の高調波を低減するために、アンプをプッシュプル構造とすることがありますが、2つのアンプの出力を足し合わせる際にもトランスが使用されます。 本ページでは簡単な磁気回路モデルを用いて、1次側からみたトランスのインピーダンス、伝送可能な電力容量を計算します。また、ある電力容量のトランスを作るのに必要な巻数、コアのAL値、AT値についての条件の導出を行います。コアの特性を表す指標であるAL値、AT値の詳細については参考文献1や過去のページ2を参考にしてください。

2. 使用するモデル

 図1に今回使用する磁気回路モデルを示します。トランスの巻数は1次側がn_1、2次側がn_2となっています。コアの断面積はS、磁路長はl透磁率は真空中の透磁率{\mu}_0、比透磁率{\mu}_rとして\mu={\mu}_r {\mu}_0とします。コア内の磁束は一様であり、漏れ磁束は存在しないとします。図1において電圧、電流、磁束はフェーザ表示で表わされており、1次側の電圧、電流を\dot{V_1}\dot{I_1}、2次側の電圧、電流を\dot{V_2}\dot{I_2}、面積Sを貫く磁束(巻線との鎖交ではない)を\dot{\phi}としています。磁束\dot{\phi} \equiv \phi \angle {\theta}_{\phi}\phiは電圧、電流のフェーザ表示と同様に、実効値で表示しています。フェーザ表示において時間微分は電圧、電流の角周波数を\omegaとすると\mathrm{d}/\mathrm{d}t=j \omegaです。トランスの2次側には負荷抵抗\dot{Z_L}が接続されています。また、1次側から見たインピーダンス\dot{Z_1}とします。

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図1:磁気回路を用いたトランスの等価モデル

3. 関係式の導出と諸特性

3.1 基本式

 このコアの磁気抵抗R_mは(1)式で表わされます。

\begin{align}
    R_m &= \frac{l}{{\mu}_0 {\mu}_r S} \tag{1}
\end{align}

この磁気回路の起磁力は(2)式で表わされます。

\begin{align}
    F &= n_1 \dot{I_1} - n_2 \dot{I_2} \tag{2}
\end{align}

この時、磁気回路では(3)式が成り立ちます。

\begin{gather}
    F = R_m \dot{\phi} \\
    n_1 \dot{I_1} - n_2 \dot{I_2} = R_m \dot{\phi} \tag{3}
\end{gather}

また、1次巻線と2次巻き線で発生する誘導起電力はそれぞれ(4)式、(5)式で表わされます。

\begin{align}
    \dot{V_1} &= n_1 \frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d}t}\dot{\phi} = j \omega n_1 \dot{\phi} \tag{4} \\
    \dot{V_2} &= n_2 \frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d}t}\dot{\phi} = j \omega n_2 \dot{\phi} \tag{5}
\end{align}

3.2 1次電圧、2次電圧と1次巻線、2次巻線の関係

 トランスは入力された1次電圧を昇圧または降圧して2次電圧として出力する電圧変換器として働きます。電圧変換と巻数の関係は(6)式で表わされ、これは、(4)式、(5)式から容易に求まります。

\begin{align}
    \dot{V_2} &= \frac{n_2}{n_1} \dot{V_1} \tag{6}
\end{align}

(6)式より、1次巻線と2次巻線の比によって電圧を変換することが可能です。

3.3 1次側から見たインピーダンス

 トランスのもう一つの働きとして、インピーダンス変換があります。2次側にインピーダンスを接続し1次側から見ると、実際に2次側に接続されたインピーダンスとは異なるインピーダンスに見えます。2次側に接続された負荷インピーダンス\dot{Z_L}は(6)式で表わされます。

\begin{align}
    \dot{Z_L} &= \frac{\dot{V_2}}{\dot{I_2}} \tag{7}
\end{align}

これに対して、1次側から見たインピーダンス\dot{Z_1}は(3)、(4)、(5)、(6)式より(8)式で表わされ、見かけのインピーダンスが変わっています。

\begin{align}
\dot{Z_1}
    =& \frac{\dot{V_1}}{\dot{I_1}} \\
    =& \frac{j \omega n_1 \dot{\phi}}{\frac{1}{n_1}(R_m \dot{\phi} + n_2 \dot{I_2})} \\
    =& j \omega {n_1}^2 \frac{1}{R_m + n_2 \frac{\dot{I_2}}{\dot{\phi}}} \\
    =& j \omega {n_1}^2 \frac{1}{R_m + j \omega {n_2}^2 \frac{\dot{I_2}}{\dot{V_2}}} \\
    =& \frac{1}{\frac{{n_2}^2}{{n_1}^2} \frac{1}{\dot{Z_L}} - j \frac{R_m}{\omega {n_1}^2}} \\
    =& \frac{{n_1}^2}{{n_2}^2} \dot{Z_L} \frac{1}{1 - j \frac{\frac{R_m}{{n_2}^2} \dot{Z_L} }{\omega}} \tag{8}
\end{align}

3.4 相互インダクタンス

 トランスのように複数の巻線を持つ磁気回路においては相互インダクタンスを定義することができます。図1のトランスにおける相互インダクタンスMは、1次側に電流を流し、2次側に電流を流さなかった時の、2次側のコイルに鎖交する磁束と1次側に流した電流の比で定義され、(9)式で表わされます。

\begin{align}
M
    &= \frac{n_2 \dot{\phi}}{\dot{I_1}} \\
    &= \frac{n_2 \dot{\phi}}{\frac{R_m}{n_1} \dot{\phi}} \\
    &= \frac{n_1 n_2}{R_m} \tag{9}
\end{align}

3.5 理想トランス

 実際のトランスの等価回路では、理想トランスと呼ばれる要素が多用されます。理想トランスでは、1次側と2次側の電圧、電流の比がコアの特性に依存せず巻線の巻数のみによって定まります。また、鉄損、銅損等による電力損失も一切ないと仮定されています。既出の式から理想トランスの特性を考えます。実は理想トランスの電圧特性は(10)式の通りであるため、ここでは電流特性について考えてみます。理想トランスでは磁気抵抗が非常に小さく、R_m \to 0となるため

\begin{align}
{\dot{Z_1}}_{ideal}
    &= \lim_{R_m \to 0} \dot{Z_1} \\
    &= \frac{{n_1}^2}{{n_2}^2} \dot{Z_L} \tag{10}
\end{align}

となり、巻数によってインピーダンス変化が可能であることが分かります。また、理想トランスに流れる電流の関係は、(6)式、(7)式、(10)式より(11)式で表わされます。

\begin{align}
\frac{\dot{V_1}}{\dot{I_1}} 
    &= {\dot{Z_1}}_{ideal} \\
    &= \frac{{n_1}^2}{{n_2}^2} \frac{\dot{V_2}}{\dot{I_2}} \\
    &= \frac{{n_1}^2}{{n_2}^2} \frac{\frac{n_2}{n_1} \dot{V_1}}{\dot{I_2}} \\
    \dot{I_2} &= \frac{n_1}{n_2} \dot{I_1} \tag{11}
\end{align}

3.6 コアの特性値とトランスの特性

 (8)式においては、コア固有の特性値である磁気抵抗R_mを用いてトランスの1次側から見たインピーダンスが記述されています。しかしながら、一般に売られているトロイダルコアの特性が磁気抵抗で表わされることはあまりありません。トロイダルコアの特性を表す指標値としては一般にAL値が用いられます。コアのAL値をA_Lとした時、巻線をn回巻いた時に得られる自己インダクタンスLは(12)式で表わされます。

\begin{align}
    L &= n^2 A_L \tag{12}
\end{align}

では、AL値は図1で用いたコアの特性値の内のどれに対応するかについて考えます。図1のコアについて、1次側にのみ巻線を巻いたインダクタを図2に示します。

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図2:1次巻線のみを考えた時のトランス

図2においても磁気抵抗はR_mです。また、電圧は\dot{V}、電流は\dot{I}、コアの断面積を貫く磁束は\dot{\phi}と定義されています。この磁気回路について回路方程式を解き、(12)式と対応させることで、AL値との対応関係を知ることができます。磁気回路モデルにおいては、インダクタンスは磁性体の透磁率および形状のみに依存し、巻線に流れる電流には依存しません。すなわち、2次側巻線に電流が流れていても流れていなくても(電流が流れないのは巻かれていないことと等価)AL値と特性値の対応関係は崩れないと考えられます。図2の回路方程式は(13)式で表わすことができます。

\begin{align}
    n \dot{I} &= R_m \dot{\phi} \tag{13}
\end{align}

自己インダクタンスとは、巻線を鎖交する磁束を流れる電流で割ったものと定義されており、これに(13)式を代入すると(14)式が成り立ちます。

\begin{align}
L
    &= \frac{n \dot{\phi}}{\dot{I}} \\
    &= \frac{n \dot{\phi}}{\frac{R_m \dot{\phi}}{n}} \\
    &= \frac{n^2}{R_m} \tag{14}
\end{align}

(12)式と比較すると(15)式が成り立ち、磁気抵抗はAL値の逆数であることが分かります。

\begin{align}
    R_m = \frac{1}{A_L} \tag{15}
\end{align}

4. 等価回路

4.1 本モデルの等価回路

 (8)式よりトランスを数式上で表すことができましたが、より理解しやすくするために(8)式を満たす等価回路について考えてみます。(8)式に(15)式を代入すると

\begin{align}
    \dot{Z_1}=& \frac{{n_1}^2}{{n_2}^2} \dot{Z_L} \frac{1}{1 - j \frac{\frac{1}{{n_2}^2 A_L} \dot{Z_L}}{\omega}} \tag{16}
\end{align}

となります。(16)式中の{n_2}^2 A_Lはこのコアにn_2回導線を巻いたときに生じる自己インダクタンスに等価です。これを

\begin{align}
L_2 \equiv {n_2}^2 A_L \tag{17}
\end{align}

と置くと

\begin{align}
    \dot{Z_1}=& \frac{{n_1}^2}{{n_2}^2} \dot{Z_L} \frac{1}{1 - j \frac{\dot{Z_L}}{\omega L_2}} \tag{18}
\end{align}

となります。(18)式を満たす回路とはどのような回路になるのでしょうか。結論から示すと、図3のような理想トランスを含む回路に等価となります。図3の等価回路のインピーダンス\dot{Z}は(19)式となることが容易に求められます。

\begin{align}
\dot{Z} 
    &= \frac{{n_1}^2}{{n_2}^2} \frac{1}{\frac{1}{\dot{Z}} -j \frac{1}{\omega L}} \\
    &= \frac{{n_1}^2}{{n_2}^2} \dot{Z} \frac{1}{1 - j \frac{Z}{\omega L}} \tag{19}
\end{align}

すなわち、図3の回路でのLL_2に、\dot{Z}\dot{Z_1}に置き換えると図1のトランスに等価となります。また、(16)式を

\begin{align}
    \dot{Z_1} &= \frac{{n_1}^2}{{n_2}^2} \dot{Z_L} \frac{1}{1 - j \frac{\frac{{n_1}^2}{{n_2}^2} \dot{Z_L} \frac{1}{{n_1}^2 A_L}}{\omega}} \tag{20}
\end{align}

と変形し、

\begin{align}
L_1 \equiv {n_1}^2 A_L \tag{21}
\end{align}

と置くと、

\begin{align}
    \dot{Z_1} &= \Bigl( \frac{{n_1}^2}{{n_2}^2}  \dot{Z_L} \Bigr) \frac{1}{1 - j \frac{\Bigl( \frac{{n_1}^2}{{n_2}^2} \dot{Z_L} \Bigr)}{\omega L_1}} \tag{22}
\end{align}

となりますが、これは図4に等価となります。図3、図4より、図1のトランスは、1次側と2側の巻数がn_1n_2の理想トランスに対し、1次側または2次側の巻数をコアに巻いた時の自己インダクタンスを持つインダクタを並列接続した回路に等価となることが分かります。

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図3:理想トランスを用いたトランスの等価回路(2次巻線の自己インダクタンスを等価回路定数として使用)。等価回路係数は(17)式より求まる。

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図4:理想トランスを用いたトランスの等価回路(1次巻線の自己インダクタンスを等価回路定数として使用)。等価回路係数は(21)式より求まる。

4.2 電気回路学的等価回路との対応

 電気回路学においては図5のような等価回路が扱われることが一般的です。そこで、図1のモデルについても図5の等価回路を用いた場合の回路定数について考えてみます。これらの回路定数は(9)式、(17)式、(21)式で示される回路定数について、図5のように対応させることで求められます。実際に図5について、1次側から見たインピーダンスを計算すると

\begin{align}
\dot{Z_1}
    &= j \omega (L_1 - M) + \frac{j \omega M \{ j \omega (L_2 - M) + \dot{Z_L} \}}{j \omega M + j \omega L_2 - j \omega M + \dot{Z_L}} \\
    &= \frac{{\omega}^2 (M^2 - L_1 L_2) + j \omega L_1 \dot{Z_L}}{j \omega L_2 + \dot{Z_L}} \tag{23}
\end{align}

となり、(9)式、(15)式、(17)式、(21)式を代入し、

\begin{align}
\dot{Z_1}
    &= \frac{j \omega {n_1}^2 A_L \dot{Z_L}}{j \omega {n_2}^2 A_L + \dot{Z_L}} \\
    &= \frac{{n_1}^2}{{n_2}^2} \frac{1}{\frac{1}{\dot{Z_L}} - j \frac{1}{ \omega {n_2}^2 A_L}} \\
    &= \frac{{n_1}^2}{{n_2}^2} \frac{1}{\frac{1}{\dot{Z_L}} - j \frac{1}{ \omega L_2}} \tag{24}
\end{align}

となり、(18)式に一致することから、図5は図3に等価に等価であることが分かります。

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図5:トランスの電気回路学的等価回路。等価回路係数は(9)式、(17)式、(21)式より求まる。

5. 設計時に考慮するべき点

 実際にインピーダンス変換用のトランスを設計する際にはどのような点に注意して使用するコア、巻数を定めるとよいのでしょうか。これらは変換前のインピーダンスと変換後のインピーダンスの比、伝送したい電力および使用したい周波数帯域幅によって決まります。以下では、インピーダンスの比、電力および周波数帯域の3つの観点からトランスの設計値の決定法について述べます。

5.1 インピーダンスの比による制約

 理想トランスである場合、(10)式より、巻数比を考えるだけでインピーダンスの変換が可能となります。しかしながら、実際のトランスでは(10)式からずれが生じます。そこで、図1のトランスについて、巻数とインピーダンスの一般的な関係を定式化します。図4の回路について、負荷インピーダンス\dot{Z_L}

\begin{align}
    \dot{Z_L} &= R_L + j X_L \tag{25}
\end{align}

と定義し、インピーダンス変換を行う(理想トランスを等価回路上から除去する)と、

\begin{align}
{\dot{Z_L}}^{\prime}
    &= \frac{{n_1}^2}{{n_2}^2} \dot{Z_L} \\
    &= \frac{{n_1}^2}{{n_2}^2} R_L + j \frac{{n_1}^2}{{n_2}^2} X_L \\
    & \equiv {R_L}^{\prime} + j {X_L}^{\prime} \tag{26}
\end{align}

となり、図6の等価回路に変換することができます。インピーダンス変換が必要となる際には、変換前のインピーダンスと変換後のインピーダンスが要求値として与えられます。実際に電力が消費されるのは負荷の内の抵抗成分です。すなわち、変換の前後のインピーダンスの内、抵抗成分に着目してトランスを設計することが望ましいと考えられます。図6について、1次側から見たインピーダンス\dot{Z_1}は(27)式で表わすことができます。

\begin{align}
\dot{Z_1}
    &= \frac{1}{\frac{1}{j \omega L_1} + \frac{1}{{R_L}^{\prime} + j {X_L}^{\prime}}} \\
    &= \frac{{\omega}^2 {L_1}^2 {R_L}^{\prime} + j \omega L_1 \{ {{R_L}^{\prime}}^2 + {X_L}^{\prime} ({X_L}^{\prime} + \omega L_1) \}}{{{R_L}^{\prime}}^2 + ({X_L}^{\prime} + \omega L_1)^2} \\
    & \equiv R_{eq} + j X_{eq} \tag{27}
\end{align}

(27)式中の抵抗成分R_{eq}を2次側の巻数n_2について解くと以下のような結果が得られます。ただし、(28)式中の"\pm"はabcの値に依存し、n_2が正の実数解を持つように定めます。

\begin{gather}
    R_{eq} = \frac{{\omega}^2 {L_1}^2 {R_L}^{\prime}}{{{R_L}^{\prime}}^2 + ({X_L}^{\prime} + \omega L_1)^2} \\
    R_{eq} \{ {{R_L}^{\prime}}^2 + ( {X_L}^{\prime} + \omega L_1 )^2 \} = {\omega}^2 {L_1}^2 {R_L}^{\prime} \\
    R_{eq} \Bigl\{ \Bigl( \frac{{n_1}^2}{{n_2}^2} R_L \Bigr) ^2 + \Bigl( \frac{{n_1}^2}{{n_2}^2} X_L  + \omega {n_1}^2 A_L \Bigr) ^2 \Bigr\} = {\omega}^2 { {n_1}^2 A_L }^2 \frac{{n_1}^2}{{n_2}^2}  R_L \\
    (\omega A_L)^2 R_{eq} ({n_2}^2)^2 + \{ 2 \omega A_L X_L R_{eq} - {\omega}^2 {n_1}^2 {A_L}^2 R_L \} ({n_2}^2) + R_{eq} ({R_L}^2 + {X_L}^2) = 0 \\
    a ({n_2}^2)^2 + b {n_2}^2 + c = 0 \\
    {n_2}^2 = \frac{-b \pm \sqrt{b^2 - 4 a c}}{2 a} \\
    n_2 = \sqrt{\frac{-b \pm \sqrt{b^2 - 4 a c}}{2 a}} \tag{28} \\
\end{gather}

\begin{align}
    \hspace{250pt} \because a & \equiv (\omega A_L)^2 R_{eq} \\
                b & \equiv 2 \omega A_L X_L R_{eq} - {\omega}^2 {n_1}^2 {A_L}^2 R_L \\
                c & \equiv R_{eq} ({R_L}^2 + {X_L}^2) \\
\end{align}

(28)式より、1次側の巻数n_1、負荷のインピーダンス\dot{Z_L}、コアのAL値A_Lおよびインピーダンス変換後の抵抗成分を与えることで2次側の巻数n_2を求めることができます。この計算結果を元にトランスの巻線を巻くことで所望のインピーダンス変換が可能となります。

5.2 伝送可能な電力による制約

 トランスで1次側から2次側へ電力を伝送する際には電気的エネルギーから磁気的エネルギーに変換されたのち、再び電気的エネルギーに変換することで電力が伝送されます。トランスで伝送可能な電力は磁気的エネルギーの上限値で決まります。この磁気的エネルギーの上限値はコアの形状および使用されている磁性体の飽和磁束密度によって決まります。トロイダルコアにおいては、これらの上限値はAT値で表わすことが一般的です。コアにn巻きのインダクタを作り電流Iを流した時の巻数と電流の積nIについて、コアが飽和しないnIの最大値をAT値と呼びます。ここでは図6の等価回路を用いて伝送可能な電力とAT値の関係を導きます。

 等価回路中のインダクタL_1の内部で生じる磁束\dot{{\phi}_{L_1}} (鎖交する磁束ではない)は、L_1を流れる電流(トランスの励磁電流)を\dot{I_{L_1}}とすると、インダクタンスの定義より(29)式で表わすことができます。

\begin{align}
\dot{{\phi}_{L_1}}
    &= \frac{L_1 \dot{I_{L_1}}}{n_1} \\
    &= \frac{L_1}{n_1} \frac{\dot{V_1}}{j \omega L_1} \\
    &= \frac{\dot{V_1}}{j \omega n_1} \\
    \therefore \dot{V_1} &= j \omega n_1 \dot{{\phi}_{L_1}} \tag{29}
\end{align}

(4)式と(29)式を比較すると、\dot{{\phi}_{L_1}} = \dot{\phi}であることが分かります。(4)式は磁気回路モデルから導出した式、(29)式は等価回路についての回路方程式から導出した式です。導出の仮定が異なっており、これらの結果が一致したことから、トランス中の磁束は、等価回路中のL_1内部の磁束に等価であることが分かります。すなわち、トランスが伝送可能な電力の上限を知るには、等価回路中のL_1に流すことのできる電流の上限を知ればよいと考えられます。これを元に等価回路定数を用いて伝送可能な電力の上限の導出を行います。

負荷\dot{Z_L}に流れる電流\dot{I_2}は(30)式で表わすことができます。

\begin{align}
    \dot{I_2} &= \frac{\dot{V_1}}{{R_L}^{\prime} + j {X_L}^{\prime}} \tag{30}
\end{align}

負荷の抵抗成分{R_L}^{\prime}で消費される電力Pは(30)式より(31)式となります。

\begin{align}
P
    &= {R_L}^{\prime} {|\dot{I_2}|}^2 \\
    &= \frac{{R_L}^{\prime}}{{{R_L}^{\prime}}^2 + {{X_L}^{\prime}}^2} {|\dot{V_1}|}^2 \tag{31}
\end{align}

(31)式を|\dot{V_1}|について解くと、(32)式となります。

\begin{align}
    |\dot{V_1}| &= \sqrt{\frac{{{R_L}^{\prime}}^2 + {{X_L}^{\prime}}^2}{{R_L}^{\prime}} P} \tag{32}
\end{align}

また、\dot{I_{L_1}}について(33)式が成り立ちます。

\begin{align}
    \dot{I_{L_1}} &= \frac{\dot{V_1}}{j \omega L_1} \\
    |\dot{I_{L_1}}| &= \frac{|\dot{V_1}|}{\omega L_1} \tag{33}
\end{align}

AT値は巻線の巻数と流れる電流の積で定義されるため、AT値をA_Tと定義すると(34)式の関係が成り立ちます。なお、(34)式でA_T\sqrt{2}で割っているのは、AT値は波高値で定義されているためです。

\begin{align}
n_1 |\dot{I_{L_1}}|
    &= n_1 \frac{|\dot{V_1}|}{\omega L_1} \\
    &= n_1 \frac{1}{\omega L_1} \sqrt{\frac{{{R_L}^{\prime}}^2 + {{X_L}^{\prime}}^2}{{R_L}^{\prime}} P} \\
    &= n_1 \frac{1}{\omega {n_1}^2 A_L} \sqrt{\frac{ \Bigl( \frac{n_1}{n_2} \Bigr) ^4 {R_L}^2 + \Bigl( \frac{n_1}{n_2} \Bigr) ^4 {X_L}^2}{ \Bigl( \frac{n_1}{n_2}\Bigr) ^2 R_L} P} \\
    &= \frac{1}{\omega n_2 A_L} \sqrt{\frac{{R_L}^2 + {X_L}^2}{R_L} P} \leqq \frac{A_T}{\sqrt{2}} \tag{34}
\end{align}

(34)式の両辺を自乗し整理すると(35)式となります。

\begin{align}
    P & \leqq \frac{1}{2} \frac{R_L}{{R_L}^2 + {X_L}^2} {n_2}^2 {A_L}^2 {\omega}^2 {A_T}^2 \tag{35}
\end{align}

(35)式より、トランスが伝送可能な電力には上限があり、それは負荷のインピーダンス、2次側の巻数、周波数、AL値、AT値によって決まることが分かります。周波数、AL値、AT値が大きいほど伝送できる電力は大きくなります。また、負荷の力率が1に近いほど(リアクタンス成分が小さいほど)伝送可能な電力は大きくなります。負荷の抵抗成分が小さいほど伝送できる電力が大きくなることも分かります。  2次側の巻数を大きくすれば、電力容量の大きなトランスを作ることができますが、巻ける巻数はコアの大きさに制限されるため、実際には上限があります。また、巻数を増やすと巻線抵抗による銅損が大きくなると考えられます。

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図6:インピーダンス変換を行い理想トランスを除去したトランスの等価回路図。

5.3 周波数帯域による制約

 帯域幅が広いと1次側から見たインピーダンスの変動が大きくなり、うまくインピーダンスマッチングが取れなくなります。1次側から見たインピーダンスの周波数特性は(8)式よりコアの特性値や巻数に依存します。そこで、使用したい周波数帯域内でのインピーダンス変動が許容範囲に収まるようにコアを選定し巻線を巻くことを考えます。

 図1のモデルにおいて、周波数変化によるインピーダンス変化を考えてみます。使用する周波数帯域の中心周波数を{\omega}_0、帯域内の任意の周波数を\omegaとすると、例として、周波数変化によるインピーダンス変化率\varepsilonを(36)式で定義することができます。

\begin{align}
\varepsilon
    &= \frac{\left| \left.\dot{Z_1}\right|_{\omega = \omega} \right| - \left| \left.\dot{Z_1}\right|_{\omega = {\omega}_0} \right| }{\left| \left.\dot{Z_1}\right|_{\omega = {\omega}_0} \right| } \times 100 ~ \mathrm{[\%]} \tag{36}
\end{align}

設計している送信機がどの程度のインピーダンス変化を許容できるかを元に、トランスおよび負荷でのインピーダンスの周波数特性を(35)式で評価することでトランスへの要求を明確化できると考えられます。トランスの1次側から見たインピーダンスの周波数特性は、負荷の周波数特性に大きく依存します。

6. まとめ

 本稿では、トランスを磁気回路でモデリングした際の等価回路の導出を行いました。結果として図1の磁気回路モデルは図3、図4、図5、図6に等価であることが分かりました。また、インピーダンス変換比、伝送可能電力および周波数変化に伴うインピーダンス変動の観点からトランスを設計方針について考えました。(28)式より、インピーダンス変換比から1次側と2次側の巻数の関係を導出することができました。また、(35)式より、伝送可能な電力の上限値とコアの特性、巻線の巻数および負荷のインピーダンスの関係を導出することができました。加えて、(36)式より、周波数変化に伴うインピーダンス変動についての評価例について示しました。これらの式を用いることでトランスの設計が可能になります。

7. 参考文献

トロイダルコアのAL値・AT値

本ページではトロイダルコアを用いてインダクタを設計するうえで使用する指標であるAL値およびAT値について記します。AL値は巻数の自乗あたりのインダクタンスを表します。またAT値は加えることのできる起磁力を表します。AT値、AL値を用いると、トロイダルコアの寸法値や透磁率を用いることなくインダクタを設計することが可能になります。なお、この内容は参考文献1からAL値、AT値の内容についてをまとめたものです。

1. 理論的な計算式

初めに計算に用いるトロイダルコアのモデルを示します。図1において、コアの内径をa、コアの外径をb、コアの厚みをt、巻き数をNとします。また、コアの中心から半径rの円周を図中の向きでたどる経路を経路Cと定義します。電磁気量として、真空中の透磁率\mu_0、比透磁率\mu_r、巻線を流れる電流をI、経路C方向の磁束密度をB、磁界をH、コア内の磁束を\phi、コイルと鎖交する磁束を\Phiとします。

f:id:JP7VTF:20190922232014p:plain
図1:使用するモデル

経路Cにおいてアンペールの法則を適用すると(1)式が成り立ち、HBを求められます。

\begin{align}
\oint_C H\mathrm{d} l &= NI \\
2 \pi r H &= NI \\
H &= \frac{NI}{2 \pi r} \tag{1} \\
B &= \mu_r \mu_0 H \\
&= \frac{\mu_r \mu_0 NI}{2 \pi r} \tag{2}
\end{align}

1.1 AL値の導出

経路Cの方向の磁束\phiは(2)式より(3)式で表わされます。

\begin{align}
\phi &= \int_{0}^{t} \int_{a}^{b} B \mathrm{d} r \mathrm{d} \tau \\
&= \frac{\mu_r \mu_0 NIt}{2 \pi} \int_{a}^{b} \frac{\mathrm{d}r}{r} \\
&= \frac{\mu_r \mu_0 NIt}{2 \pi} \left[ \mathrm{ln} |r| \right]_{a}^{b} \\
&= \frac{\mu_r \mu_0 NIt}{2 \pi} \mathrm{ln}\frac{b}{a} \tag{3}
\end{align}

このトロイダルコアのインダクタンスLは、定義より(4)式となります。

\begin{align}
L &= \frac{\Phi}{I} \\
&= \frac{N \phi}{I} \\
&= \left( \frac{\mu_r \mu_0 t}{2 \pi} \mathrm{ln}\frac{b}{a} \right) N^2 \tag{4}
\end{align}

ところで、AL値A_Lは以下の式のように定義されます。

\begin{align}
L &= A_L N^2 \tag{5}
\end{align}

(4)式と(5)式を比較すると、

\begin{align}
A_L &= \frac{\mu_r \mu_0 t}{2 \pi} \mathrm{ln}\frac{b}{a} \tag{6}
\end{align}

となり、トロイダルコアのAL値が求まります。

1.2 AT値の導出

実際の磁性体では、磁界Hの増加に対し磁束密度Bの増加量は飽和していきます(磁気飽和)。(6)式では比透磁率\mu_rを定数と仮定しており、磁気飽和が生じていない領域において成り立ちます。すなわち、コア内の磁束密度は飽和磁束密度以下であるときに(6)式が成り立ちます。

コア内の磁束密度はコア中心からの半径に依存し、半径が最も小さい時に磁束密度は最大となります。これは、r=aとなるときであり、この時の磁束密度B_{max}

\begin{align}
B_{max} &= \mu_r \mu_0 \frac{NI}{2 \pi a} \tag{7}
\end{align}

磁束密度B_{max}は起磁力NIに比例することから、NIには磁気飽和が生じない上限値が存在します。起磁力の上限値についてNI = \left(NI\right)_{max}、この時の磁束密度は飽和磁束密度に等しいことからB_{max} = B_{sat}と置くと以下が成り立ちます。

\begin{align}
B_{sat} &= \mu_r \mu_0 \frac{\left(NI\right)_{max}}{2 \pi a} \\
\therefore \left(NI\right)_{max} &= \frac{2 \pi a B_{sat}}{\mu_r \mu_0} \tag{8}
\end{align}

このときの\left(NI\right)_{max}をAT値と呼び、このトロイダルコアに加えることのできる起磁力の上限を示す指標となります。

2. 実際の値

ここでは例として、アミドン社のFT-50(#43)について計算を行ってみます。アミドン社のトロイダルコアのAL値、AT値について計算された表が参考文献1に詳しく記載されていますので、詳しくはそちらを参照してください。なお、この文献の巻中の表では組成の異なる各材料のB-H曲線から読み取った飽和磁束密度で、巻末の表では組成に依らずフェライトコアの飽和磁束密度を0.1~\mathrm{T}一定として計算されています。巻末の表に関しては、どの組成の材料においても飽和磁束密度がだいたい0.1~\mathrm{T}くらいになるため、一定にしているものと思われます。

FT-50の寸法は、内径2a=7.15~\mathrm{mm}、外径2b=12.7~\mathrm{mm}、厚さt=4.9~\mathrm{mm}となります。また、比透磁率\mu_r=850であり、真空中の透磁率\mu_0=4 \pi \times 10^{-7} ~ \mathrm{H/m}を合わせて代入すると、

\begin{align}
A_L &= \frac{\mu_r \mu_0 t}{2 \pi} \mathrm{ln}\frac{b}{a} \\
    &= \frac{850 \times \left(4 \pi \times 10^{-7} \right) \times \left(4.9 \times 10^{-3} \right)}{2 \pi} \mathrm{ln}\frac{\left(12.7 \times 10^{-3} \right)/2}{\left(7.15 \times 10^{-3} \right)/2} \\
& \cong 478.5~\mathrm{nH/turn^2}
\end{align}

となります。飽和磁束密度をB_{sat}=0.1~\mathrm{T}とすると、

\begin{align}
\left(NI\right)_{max} &= \frac{2 \pi a B_{sat}}{\mu_r \mu_0} \\
&= \frac{2 \pi \times \left(7.15 \times 10^{-3} \right) / 2 \times 0.1}{850 \times 4 \pi \times 10^{-7}} \\
& \cong 2.10 ~\mathrm{A \cdot turn}
\end{align}

となります。

3. まとめ

本ページではAT値、AL値の算出法についてまとめました。なお、実際のコアのAT値、AL値についてはばらつきがあるため、より厳密にインダクタンスの値を定めたい場合は測定しながら巻線を巻く必要があります。

4. 参考文献


  1. 山村英穂:“トロイダル・コア活用百科”, pp14-59, CQ出版社(1983)

E級アンプの近似的な回路解析

1. はじめに

3.5 MHz E級アンプを設計するにあたり、E級アンプの回路解析についてまとめました。内容は参考文献1を中心に、他の参考文献等2,3を参照しながら、まとめ直したものになっています。詳しくはこれらの文献を参照してください。なお、E級アンプの設計式についてはいくつか種類がありますので、興味のある方はそちらも調べてみてください。

2. E級アンプとは

E級アンプとは、"スイッチがターンオンする瞬間にスイッチ(トランジスタ)がターンオンする瞬間にスイッチの電圧がゼロ(ZVS)であり、かつスイッチ電圧の傾きがゼロ(ZVDS)であること"を満たすスイッチング増幅回路のことです。次節に示すE級アンプの回路はこの条件を満たす最も基本的なものです。これ以外にプッシュプル型のE級アンプなども考案されています。 E級アンプの長所としては、ZVS、ZVDSとすることにより、スイッチにおける電力損失を理想ではゼロにすることができ、増幅回路の電力効率を向上できるということが挙げられます。短所としては、共振回路を用いて高調波成分を除去しているために、共振点から大きくずれるような広帯域での増幅には不向きであるということが挙げられます。また、入力は矩形波、出力は正弦波(変調を行わない場合)に限られます。

3. 回路図

最も基本的なE級アンプの回路構成を以下に示します。

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図1:基本的なE級アンプ

この回路中のインダクタンスLについて、解析のためにインダクタンスL_0とリアクタンスXに分解した時の等価回路を以下に示します。

f:id:JP7VTF:20190921020734p:plain
図2:E級アンプの等価回路

各回路要素の働きは次のようになっています。 FETは角周波数\omegaでスイッチングを行い、ひずみ波を生成します。 L_{RFC}は直流のみを透過させる作用を持ちます。 C_1はFETがOFFの時間領域で負荷に電流が流れるようにするために設けられています。C_1がない回路でFETがOFFになると、FETに電流が流れず、またL_{RFC}は直流のみを透過させる作用を持つことから、基本波電流が流れる閉路がなくなってしまいます。 L_0C_0はその共振周波数が\omegaに一致するように設計されています。これにより、発生したひずみ波の内、高調波成分を減衰させる働きをします。 Xは、ZVS、ZVDSを実現するために位相を調整する役割を持っています。Xは後述の計算より正の値となることが分かっており、L_0X/\omegaを合成しLとして実装されます。

4. 解析

4.1 仮定

回路解析に先立って、計算を簡便にするために以下のような仮定をします。

  • 負荷抵抗R、インダクタLコンデンサC_0により構成されるRLC直列共振回路のQ値は十分に大きく、入力されたひずみ波の内の基本波のみを透過するとします。また、共振周波数はFETのスイッチング周波数に一致するとします。
  • チョークコイルL_{RFC}のインダクタンスは十分に大きく、直流のみを通過させるとします。
  • FETは理想スイッチング素子であるとし、オン抵抗、寄生ダイオードや寄生容量の影響は無視できるとします。
  • FETのスイッチングはデューティ比50%の方形波で行われるものとします。

4.2 回路定数の導出

ここでは、E級アンプの各回路定数の条件について導出を行います。E級アンプを設計する際には、必要な電力、角周波数、電源電圧等の仕様を、これらの式に代入することで回路定数を決定します。

はじめに、スイッチング角周波数\omega、スイッチング周波数fおよび周期Tについて次の関係が成り立つとします。

\begin{cases}
\omega T = 2 \pi \newline
f = \frac{1}{T}
\end{cases}
\tag{0}

また、FETは以下の時間領域でON/OFFになるとします。

\mathrm{MOSFET}:\begin{cases}
ON & (0 \lt t \le T/2) \newline
OFF & (T/2 \lt t \le T)
\end{cases}
\tag{1}

負荷抵抗Rに流れる電流i_0は基本波成分のみを持つと仮定しているため、(2)式のように定義します。

\begin{align}
i_o &=I_o\sin (\omega t+\phi) \tag{2}
\end{align}

MOSFETに流れる電流i_sは、L_{RFC}が直流のみを通すという仮定から、(3)式のように定義します。

i_s=\begin{cases}
I_{dc}-I_o\sin (\omega t +\phi) & (0 \lt t \le T/2) \newline
0 & (T/2 \lt t \le T)
\end{cases}
\tag{3}

MOSFETがOFFになると、MOSFETがONのときに流れていた電流はコンデンサC_1に流れるようになります。これより、コンデンサC_1に流れる電流i_{C1}は(4)式で表わさます。

i_{C1}=\begin{cases}
0 & (0 \lt t \le T/2) \newline
I_{dc}-I_o\sin (\omega t +\phi) & (T/2 \lt t \le T)
\end{cases}
\tag{4}

T/2 \lt t \le Tにおいて、C_1に電流が流入するため、コンデンサの両端に生じる電圧v_sは(5)式のように計算できます。なお、L_{RFC}は直流のみを透過するという仮定から、コンデンサ流入する電流は、その時のv_sに依存せずに(4)式の電流値であるとします。

\begin{align}
v_s &= \frac{1}{C_1}\int_{T/2}^{t}i_{C1}d\tau \\
&= \frac{1}{C_1}\int_{T/2}^{t}(I_{dc}-I_o\sin (\omega \tau +\phi))d\tau \\
&= \frac{1}{\omega C_1}\{I_{dc}(\omega t-\pi)+I_o(\cos (\omega t+\phi)+\cos \phi)\} & (T/2 \lt t \le T) \tag{5}
\end{align}

加えて、v_sの時間微分を計算すると、(6)式の結果が得られます。

\begin{align}
\frac{\mathrm{d}v_s}{\mathrm{d}t} &= \frac{1}{C_1}(I_{dc}-I_o \sin (\omega t + \phi)) \tag{6}
\end{align}

(5)式から、回路がZVSを満たすとき(7)式が成り立つ必要があります。

\begin{align}
& v_s(T)=\frac{1}{\omega C_1}\{I_{dc}(\omega T-\pi)+I_o(\cos (\omega T+\phi)+\cos \phi)\}=0 \\
&\therefore ~ \pi I_{dc}+2I_o cos \phi = 0 \tag{7}
\end{align}

また、(6)式から、回路がZVDSを満たすとき(8)式が成り立つ必要があります。

\begin{align}
&\left.\frac{\mathrm{d}v_s}{\mathrm{d}t}\right|_{t=T}=\frac{1}{C_1}(I_{dc}-I_o \sin (\omega T + \phi))=0 \\
&\therefore ~ I_{dc}-I_o\sin \phi=0 \tag{8}
\end{align}

(7)式、(8)式より、位相\phiについて次の関係が導出できます。

\begin{align}
\tan \phi &= -\frac{2}{\pi} \tag{9} \\
\therefore ~ \phi &= \arctan \left(-\frac{2}{\pi} \right ) \\
&\cong 147.52 ~\mathrm{[degree]} \tag{10} \\
\sin \phi &= \frac{2}{\sqrt{{\pi}^2+4}} \tag{11} \\
\cos \phi &= -\frac{\pi}{\sqrt{{\pi}^2+4}} \tag{12} \\
\end{align}

チョークコイルL_{RFC}の内部抵抗はゼロで、L_{RFC}は直流のみを透過させることから、L_{RFC}では電圧降下が生じないと考えることができます。すなわち、電源電圧V_{dc}はすべてFETとC_1に印加されると考えられます。よって、v_sの平均値\langle v_s \rangleについて、\langle v_s\rangle=V_{dc}であると考えられ、(13)式が成り立ちます。

\begin{align}
\langle v_s\rangle
&=\int_{0}^{T}v_s dt \\
&=\int_{T/2}^{T}v_s dt \\
&=\frac{1}{\omega C_1} \frac{2I_o}{\pi \sqrt{{\pi}^2+4}}=V_{dc} \\
\therefore~\omega C_1 V_{dc} &= \frac{2I_o}{\pi \sqrt{{\pi}^2+4}} \tag{13}
\end{align}

負荷抵抗Rの電圧v_0は、(2)式に示されるi_0の定義より、v_0=RI_0 \sin (\omega t + \phi)となります。L_0C_0は共振状態にあるためにインピーダンスはゼロとなることから、v_0v_s\sin (\omega t + \phi)成分のみからなると考えられます。これより、RI_0v_sの基本波に関するフーリエ級数を用いて(14)式のように求めることができます。

\begin{align}
RI_o
&= \frac{2}{T}\int_{T/2}^{T}v_s \sin(\omega t + \phi)dt \\
&= \frac{1}{\omega C_1} \frac{8}{\pi({\pi}^2+4)} I_o \\
\therefore~\omega C_1 R &= \frac{8}{\pi({\pi}^2+4)} \tag{14}
\end{align}

Rで消費される電力Pは(13)式、(14)式を用いると、(15)式のように表わすことができます。

\begin{align}
P
&= \frac{R{I_o}^2}{2} \\
&= \frac{8}{{\pi}^2+4} \frac{{V_{dc}}^2}{R} \tag{15} \\
\end{align}

Pを用いてRを表すとすると、(15)式を変形して(16)式のようになります。また、Pを用いてC_1を表すとすると、(14)式と(15)式から(17)式のようになります。

\begin{align}
R &= \frac{8}{{\pi}^2+4} \frac{{V_{dc}}^2}{P} \tag{16} \\
C_1 &= \frac{P}{\pi \omega {V_{dc}}^2} \tag{17}
\end{align}

RI_oを求めたときと同様に、XI_oを求めると、(18)式のようになります。

\begin{align}
XI_o
&=\frac{2}{T}\int_{T/2}^{T}v_s \cos(\omega t + \phi)dt \\
&=\frac{1}{\omega C_1} \frac{{\pi}^2-4}{2({\pi}^2+4)} I_o \\
\therefore~\omega C_1 X &= \frac{{\pi}^2-4}{2({\pi}^2+4)} \tag{18}
\end{align}

(18)式より、XI_oが正であることから、Xはインダクタンスに起因する必要があることが分かります。実際の回路に使用されるコイルのインダクタンスLは等価回路中のL_0X / \omegaを合成したものになります。ここで、インダクタLのQ値を(18)式のように定義します。

\begin{align}
Q &= \frac{\omega L}{R} \tag{19}
\end{align}

(16)式、(17)式、(18)式、(19)式と、R-L_0-C_0は共振状態にあるという仮定から、LC_0を求めると(20)式、(21)式のようになります。

\begin{align}
L &= \frac{QR}{\omega}=\frac{8}{{\pi}^2+4} \frac{Q}{\omega} \frac{{V_{dc}}^2}{P} \tag{20} \\
C_0 &= \frac{1}{{\omega}^2 L_0} \\
&= \frac{1}{\omega (\omega L - X)} \\
&= \frac{1}{\omega (QR-X)} \\
&= \frac{P}{\omega \left \{ \frac{8Q}{{\pi}^2 + 4} - \frac{\pi ({\pi}^2 - 4)}{2({\pi}^2 + 4)} \right \} {V_{dc}}^2} \tag{21}
\end{align}

また、チョークコイルL_{RFC}は以下を満たす必要があることが知られています。

\begin{align}
L_{RFC}  & \ge \pi ({\pi}^2 + 4) \frac{R}{\omega} \tag{22}
\end{align}

4.3 各部の電流・電圧の導出

ここでは、前節で導出した回路定数の回路において、各部に流れる電流、印加される電圧について導出を行います。これらの結果は、FETの許容電流や耐圧、インダクタの選定をするときなどに必要となります。

電源から供給される電流I_{dc}は(8)式、(11)式、(13)式より(23)式のようになります。

\begin{align}
I_{dc} &= \pi \omega C_1 V_{dc} \tag{23}
\end{align}

MOSFETに流れる電流I_sの最大値I_{smax}を求めます。(3)式に示されるI_sの定義より、最大値を取るときの\omega tは(24)式を満たすことが分かります。

\begin{align}
\omega t_{ismax} &= \frac{3 \pi}{2} - \phi \\
    & \cong 122.48~\mathrm{[degree]} \tag{24}
\end{align}

また、I_{smax}は(25)式のようになります。

\begin{align}
I_{smax} &= I_{dc}+I_o \\
&= \left ( 1+\frac{\sqrt{{\pi}^2+4}}{2} \right ) I_{dc} \tag{25}
\end{align}

MOSFETに印加される電圧v_sの最大値V_{smax}を求めます。V_{smax}となるときの時間をt_{vsmax}とすると、(5)式、(8)式、(11)式、(13)式より、(26)式が成り立ちます。

\begin{align}
\left.\frac{\mathrm{d}v_s}{\mathrm{d}(\omega t)}\right|_{t=t_{vsmax}}
&= \pi V_{dc} \left \{1 - \frac{\sqrt{{\pi}^2+4}}{2} \sin(\omega t_{vsmax} + \phi) \right \} = 0 \\
\therefore~\omega t_{vsmax} &= \arcsin \left ( \frac{2}{\sqrt{{\pi}^2+4}} \right ) - \phi \\
& \cong 244.96~\mathrm{[degree]} \tag{26}
\end{align}

よって、V_{smax}は、(27)式のように計算できます。

\begin{align}
V_{smax} &= \left.v_s\right|_{t=t_{vsmax}} \\
    &= 2 \pi V_{dc} (\pi - \phi) \tag{27}
\end{align}

理想E級アンプの効率についての導出を行います。電源から供給される電力I_{dc} V_{dc}について、(8)式、(11)式、(13)式、(14)式より、(28)式が成り立ち、理想E級アンプは入力された電力のそのすべてが負荷抵抗で消費されることが分かります。

\begin{align}
I_{dc} V_{dc} &= P \tag{28}
\end{align}

また、理想E級アンプの電力出力容量c_pは(25)式、(27)式、(28)式より、(29)式のようになります。

\begin{align}
c_p &= \frac{P}{I_{smax} V_{smax}} \\
&= \frac{1}{2 \pi V_{dc}(\pi - \phi) \left ( \frac{\sqrt{{\pi}^2+4}}{2}+1 \right ) } \\
&\cong 0.0981 \tag{29}
\end{align}

最後に、LC_0について、印加される最大電圧、流れる最大電流を求めます。(2)式、(11)式、(20)式、(28)式より、Lに加わる最大電圧V_{Lmax}は(30)式のようになります。

\begin{align}
V_{Lmax}
&= \omega L I_o \\
&= \frac{4}{\sqrt{{\pi}^2+4}} Q V_{dc} \tag{30}
\end{align}

(8)式、(11)式、(21)式、(28)式より、C_0に加わる最大電圧V_{C0max}は(31)式のようになります。

\begin{align}
V_{C0max} 
&= \frac{1}{\omega C_0} I_o \\
&= \left \{ \frac{4Q}{\sqrt{{\pi}^2+4}} - \frac{\pi ({\pi}^2 - 4)}{4 \sqrt{{\pi}^2 + 4}} \right \} V_{dc} \tag{31}
\end{align}

(8)式、(11)式より、流れる最大電流I_{omax}は(32)式のようになります。

\begin{align}
I_{omax}
&= I_o \\
&= \frac{\sqrt{{\pi}^2+4}}{2} I_{dc} \tag{32}
\end{align}

5. まとめ

前節で得られた結果より、E級アンプを設計する際には、以下の手順、式を用いて回路定数や素子の定格等を定めるとよいことが分かります。

  • 使いたい角周波数\omega、電源電圧V_{dc}、必要な出力PおよびQ値を仕様値として定める
  • 仕様値を元に回路定数を計算する
  • 仕様値を元に各部に流れる最大電流、印加される最大電圧を計算し、定格値を計算する

この設計手順では、負荷抵抗Rは仕様値によって定まる回路定数として扱っています。任意の抵抗値を用いたい場合は、トランスを用いてインピーダンス変換を行います。

なお、前節で得られた結果は、計算を簡便化するための仮定が多く定められています。実際のE級アンプで、完全な理想状態を得ることは難しいと言われています。実際のE級アンプでは、共振点からずれていたり、最大電流や最大電圧が計算値と異なったり、FETにおいて損失が発生したりします。設計に際しては、上記の手順で回路を設計した後に、回路のシミュレーションを行ったり、実験を行い、追い込んだりすることが望ましいと考えられます。

5.1 回路定数を計算するための式

以下の式に仕様値V_{dc}Pの値を代入し、回路定数を計算します。

\begin{align}
R &= \frac{8}{{\pi}^2+4} \frac{{V_{dc}}^2}{P} \cong 0.5768 \frac{{V_{dc}}^2}{P}\\
L &= \frac{8}{{\pi}^2+4} \frac{Q}{\omega} \frac{{V_{dc}}^2}{P} \cong 0.5768 \frac{Q}{\omega} \frac{{V_{dc}}^2}{P}\\
L_{RFC}  & \ge \pi ({\pi}^2 + 4) \frac{R}{\omega} \cong 43.57 \frac{R}{\omega}\\
C_0 &= \frac{P}{\omega \left \{ \frac{8Q}{{\pi}^2 + 4} - \frac{\pi ({\pi}^2 - 4)}{2({\pi}^2 + 4)} \right \} {V_{dc}}^2} \cong \frac{P}{\omega \left ( 0.5768 Q - 0.6648 \right ) {V_{dc}}^2}\\
C_1 &= \frac{P}{\pi \omega {V_{dc}}^2}
\end{align}

5.2 定格を計算するための式

以下の式に仕様値および回路定数の値を代入し、定格を計算します。

電源に要求される電流容量、L_{RFC}に流れる電流

\begin{align}
~~~I_{dc} &= \pi \omega C_1 V_{dc}
\end{align}

FETに流れる最大電流

\begin{align}
~~~I_{smax} &= \left ( 1+\frac{\sqrt{{\pi}^2+4}}{2} \right ) I_{dc} \cong 2.862 I_{dc}
\end{align}

FET、C_1に印加される最大電圧

\begin{align}
~~~V_{smax} &= 2 \pi V_{dc} (\pi - \phi) \cong 3.562V_{dc}
\end{align}

LC_0Rに流れる最大電流

\begin{align}
~~~I_{omax} &= \frac{\sqrt{{\pi}^2+4}}{2} I_{dc} \cong 1.862 I_{dc}
\end{align}

Lに印加される最大電圧

\begin{align}
~~~V_{Lmax} &= \frac{4}{\sqrt{{\pi}^2+4}} Q V_{dc} \cong 1.074 Q V_{dc}
\end{align}

C_0に印加される最大電圧

\begin{align}
    ~~~V_{C0max} &= \left \{ \frac{4Q}{\sqrt{{\pi}^2+4}} - \frac{\pi ({\pi}^2 - 4)}{4 \sqrt{{\pi}^2 + 4}} \right \} V_{dc} \cong (1.074Q - 1.238)V_{dc}
\end{align}

6. 参考文献


  1. 末次 正:“RF 電力増幅器の基礎と設計法”, pp.57-72, 科学情報出版(2015)

  2. 稲葉 保:“パワーMOSFETの高速スイッチング応用”, pp.103-108, CQ出版(2011)

  3. Idealized operation of the class E tuned power amplifier - IEEE Journals & Magazine

鎌倉山(仙台市青葉区作並)に登ってきました

鎌倉山は作並街道(国道48号)沿いにある標高520 mの山です(写真1)。山の麓には作並駅ニッカウヰスキー仙台工場宮城峡蒸溜所があります。2019年9月15日に移動運用&日々の運動不足解消を兼ねて鎌倉山登山に行ってきました。意外とあっさり登れてしまい、体力と気力が意外と残っていたので、その足で宮城峡蒸溜所の見学にも行ってきました。

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写真1:国道48号から見た鎌倉山

山頂までの行程

私は仙台住まいですので、仙台からの行程となります。国道48号を山形方面に進むと正面に鎌倉山が見えてきます。「鎌倉山(ゴリラ山)」という看板も立っているので容易に分かると思います。そのまま進むと山は右側にそれていき、山の横を少し通り過ぎると道の左にもしもしピットがあるのでここに車を止めると良いようです(写真2)。

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写真2:もしもしピット

車から降りたら、国道48号を渡った後に仙台方面に向かって歩きます。数百メートル歩くと、一軒家がぽつんとあります。この一軒家に向かって進むと、一軒家の敷地に入る直前に左側に入る道があります。私が行った時は草が生い茂っており、わかりにくかったです。さて、この草ボーボーのあぜ道を進んでいくと仙山線の線路と交差しますので、ここを注意して渡ります(写真3)。

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写真3:踏切

線路を渡り、道なり(左側)に進んでいきます。こんな感じの道です(写真4)。草生えすぎて大草原不可避。

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写真4:線路を超えた後の道

国道48号を眺めるとこんな感じです(写真5)。

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写真5:国道48号を眺めて

トボトボ歩いていくとだんだん林の中に入っていきます(写真6)。

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写真6:林の中へ

道は結構ぬかるんでいるので注意して進みました。途中の水たまりにはあめんぼやオタマジャクシがたくさん(写真7)。

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写真7:道の途中の水たまり

1 kmは行きませんが、そこそこ歩くとやっと登山道の入口です(写真8)。

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写真8:登山道入口

道の左下に沢が見えます(写真9)。

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写真9:道の下には沢が見える

倒木があります(写真10)。

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写真10:倒木

道なりに進むと、「伝説天沼」が前方左側に見えてきます(写真11,12)。沼の真横を通る道と、右手側の斜面に登っていく道の2つがあるようですが、斜面に登る道の方が道筋がきれいだったのでこちらを登ることにしました。

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写真11:伝説天沼の表式

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写真12:伝説天沼

リボンや木にペンキで書かれた矢印があるので、それらをたどりながら進んでいきます。途中、わかりにくいところがあるので注意しながら進みました。わかりにくそうなところは写真を撮っておいたのですが、後で見返してみると、その写真もわかりにくい(笑)。間際らしいので掲載はしません。

窪地のようなところを進んでいきます(写真13)。ここにも倒木(写真14)。

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写真13:窪地。雨天時には雨水はここを流れるのだろうか

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写真14:度々倒木

グイグイ進んでいきます。ある程度まで登ってくると、ゴツゴツと岩が出てきだします。山頂に至る最後のアプローチでは、岩肌の斜面をロープ伝いに登ります。そんなに大変ではありませんが、山頂目指してひたすら登っていたので、写真を撮るのを忘れてました(笑)。そんなこんなで山頂に到着です(写真15)。山頂からの景色はこんな感じ(写真16)。下側にニッカウヰスキー仙台工場宮城峡蒸溜所が見えます。

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写真15:山頂。標識も山の形をしている

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写真16:山頂からの眺め。赤レンガの建物はニッカウヰスキー仙台工場宮城峡蒸溜所

実は山頂の先にも少し道が続いていて、そこを下っていくと岩の突き出した場所に出ます。ここで滑ったら下まで真っ逆さまなので慎重に下ります。景色はこちらの方がよいですね(写真17)。

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写真17:岩の手前からのパノラマ

さて、今回の登山の目的はアマチュア無線の移動運用でした。ただ、景色に見とれていて無線のことはすっかり忘れていました。まあ、次回の楽しみということにしておきます。

実は、山頂付近で他の登山グループの方々とご一緒させていただきました。登山学校で同期だった方々が定期的に集まって登山をされているそうです。おにぎりやナス漬、お菓子などいろいろとごちそうになってしまいました。とてもおいしかったです。ごちそうさまでした。いろいろとお話を伺いましたが、グループで登山というのも楽しいだろうなあ、と思った次第です。

下山については、道のぬかるみや滑りやすさから少し注意が必要でしたが、特にインシデントもありませんでした。登りも下りも1時間かからず、気軽に登れる山でした。

ニッカウヰスキー仙台工場宮城峡蒸溜所

意外とあっさり登れてしまい気力と体力が残っていたので麓のニッカウヰスキー仙台工場宮城峡蒸溜所も見学してきました。実は私は小学生の時にも見学に来たことがあるので、だいたい15年ぶりといったところでしょうか。構内からは先ほど登ってきた鎌倉山が見えます(写真18)。

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写真18:ニッカウヰスキー仙台工場から見た鎌倉山

ガイドさんから説明を受けつつ構内を見学しました。初めは大麦麦芽の乾燥に用いていたキルン塔(写真19)。

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写真19:キルン塔

他にもいろいろ説明を受けたけど写真撮り忘れてたのでいろいろと飛ばしてポットスチル(写真20)。しめ縄がいい感じです。

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写真20:ポットスチル。しめ縄に注目

熟成に使う樽(写真21)。

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写真21:樽

さて、この後には試飲会があり、種類の異なるウィスキーを1杯ずつ試飲できます。ただ、私は原チャリできているの残念ながらジュースとお茶しか飲めません。バヤリースオレンジと十六茶を飲んできました。まあ、よく知ってる味です。試飲できないのは悔しいところですので、自分へのお土産として、シングルモルト 宮城峡とスーパーニッカのミニチュアボトルを買ってきました(写真22)。かわいい。まあ、デカいのを買っても全部飲めるか不安なので。シングルモルト 宮城峡はスーパーニッカに比べて香りがフルーティーですね。

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写真22:ミニチュアボトル

まとめ

はじめまして

はじめまして、JP7VTFと申します。「JP7VTFの実験ノート」と題しましてブログを開設しました。どうぞよろしくお願いします。このページではわたくしJP7VTFの自己紹介と本ブログの今後の方針について示したいと思います。

自己紹介

宮城県仙台市在住の理系大学生です。大学での専攻はRFではありませんが、趣味でアマチュア無線をやってます。一応1アマです(モールスは全然ダメなので実質4アマです)。元々、趣味で電子工作をやっており、「次は高周波回路を自作してみたい」と思ったのでアマチュア無線の従事者免許を取得した次第です。従事者免許しか持っておらず、運用については社団局でのみ行っていましたが、この度144 MHz/430 MHzデュアルバンドのハンディー機を購入し、コールサインJP7VTFを取得しました。

本ブログの内容について

もともとは無線機を作ってみたかったことからアマチュア無線に入門しました。そこで、本ブログでは無線機を自作するにあたっての過程などを公開できればと思っています。現在は3.5 MHz/3.8 MHz帯 QRP CWトランシーバの開発を行っていますので、その辺りについてまとめたいと思っています。その後はより高い周波数帯へとシフトできればと思っています。

リグの自作以外にも移動運用についてもまとめたいと考えています。最近、山歩きを始めまして、週末は仙台市内の里山通いをしています。山頂での移動運用の記録についても公開できればと考えています。ただ、まだJARL加入の申請をやっていないので、移動運用は少し先になりそうです。

まとめ

本ページではJP7VTFの自己紹介と本ブログの方針について示しました。上記に示した方針について完遂できるのか怪しいところではありますが、一生懸命頑張る次第ですので、暖かい目で見守っていただければと思います。